こんにちは!生活リズムが終わり始めた しさブロ管理人加納です
ベストセラー作家である橘玲氏の著書『シンプルで合理的な人生設計』は、「幸せな人生を送る具体的な方法」を教えてくれる一冊です。この本では、漠然とした「幸せ」を「3つの幸福の資本」という明確な概念で捉え、それぞれを高めることでより良い人生を築けると提唱しています。本記事では、その具体的な方法について詳しく解説していきます。
1. 幸福の3つの資本とは?
幸福な人生を築く上で、著者が提唱する最も重要な3つの資本は以下の通りです 。
- 資産:株や不動産など、お金を稼げる金融資産があること 。お金の心配がない状態は、人生に大きな余裕をもたらします 。
- 仕事:自分の仕事で高い評価や給料を得られていること 。特殊なスキルを持ち、周囲から尊敬され、精神的にも安定した状態を指します。
- 人間関係:家族、恋人、友人がいること。孤独ではない、豊かな人間関係に囲まれている状態です 。
これらの資本が一つもない状態は、映画『ジョーカー』の主人公のように「この世の不幸を詰め込んだような設定」であり、不幸な人だと言えるでしょう 。しかし、全てを完璧に手に入れるのは時間やリソースが限られているため難しいとされています 。そのため、まずは「2つの資本がある状態」を目指すのが合理的だと提案されています 。
2. 人生の後半を豊かにする「長期的な視点」の重要性
幸せな人生を送るためには、「終わりよければ全てよし」という考え方が非常に重要です [7]。映画がラストでハッピーエンドだとスッキリするように、人生も「人生の後半」が幸福であることが肝要とされています 。
人生は約4000週間しかなく、この貴重な時間の後半を幸せな状態にしておくためには、「今の楽しみ」に時間やお金を使いすぎず、未来が幸せになるための投資を優先することが大切です 。
優先順位としては、まず「未来を良くする合理的な行動」(積立投資や勉強など)を行い、その後に残った時間やお金で「今楽しい不合理な行動」(娯楽など)を楽しむのが良いとされます 。これは、就職活動で内定が出て未来の見通しが立ってから遊びまくるイメージに似ています 。
3. 「資産」を増やす最も効果的な方法:アメリカへのインデックス投資
幸福の資本の一つである「資産」を増やす上で、最も効果的な方法として推奨されているのが「アメリカ全体へのインデックス投資」です 。
- お金と幸福度:年収800万円、金融資産1億円までは、お金を稼ぐことで幸福度が向上すると言われています。
- インデックス投資が推奨される理由:
- 世界人口が増加し続けており、Twitter、Amazon、Google、Microsoft、Netflixといったアメリカのサービスは世界中の人々が利用するため、アメリカ企業の売り上げは増え、株価も右肩上がりになる傾向があるためです。
- 過去のデータを見ると、リーマンショックやコロナ禍があっても、アメリカのインデックス投資は長期的に見れば右肩上がりの実績があります。
- 自分で個別株を選んだり、プロに運用を任せるよりも、インデックス投資の方が82%も良い成績を上げているというデータもあります。
- 例えば、毎月10万円を30年間インデックス投資で積み立て、年利3%で運用できた場合、30年後には5800万円近くになる計算です(貯金のみの場合は3600万円) 。
「ほったらかし」投資の重要性:インデックス投資を行う上で最も重要なのが、一度設定したら「ほったらかし」にできることです。毎日株価をチェックしたり、売買を考えるのは時間の無駄であり、その時間や集中力は残りの幸福の資本である「仕事」や「人間関係」に充てるべきだとされています。
4. 「仕事」のスキルを高め、尊敬と精神的安定を得る戦略
仕事における「稼ぐ能力」を高めることは、収入だけでなく、周囲からの尊敬やメンタルの安定にも繋がります。特殊なスキルを持たない平凡な状態では、収入が低く、尊敬されず、不景気時に仕事を失うリスクが高まり、うつ病などの精神疾患のリスクも高まる可能性があります。
では、どうすれば社会から高く評価される特殊な能力を身につけられるのでしょうか。
- 好きで得意なことに「一点集中」:まずは、自分が「好きで得意なこと」を見つけ、そこに時間とリソースを集中投下して、そのスキルを磨き上げる必要があります。中途半端な能力では高い評価は得られません。
- 「弱者の戦略」:ニッチな市場への転換:一点集中してスキルを磨いたとしても、その分野で必ずしも一番になれるとは限りません。大谷翔平選手や藤井聡太棋士のような「強者」と同じ土俵で戦い続けるのは現実的ではありません。
そのため、「この相手には勝てない」と感じたら、その市場をあっさりと捨て、自分が「王者になれるニッチな市場」に活動の場を移すことが重要です。例えば、日本の車メーカー「スズキ」が、トヨタという強者がいる国内市場を避け、早期にインド市場に主力を移してトップシェアを獲得した事例が挙げられます。
ダーウィンの言葉にあるように、「唯一生き残る事ができるのは変化できるものである」という視点を持つことが、弱者が生き残るための鍵となります。
5. 「人間関係」を最適化し、幸福度を向上させる方法
人間関係も幸福に直結する重要な資本です。人は「自分の周りにいる5人の平均に近づいていく」と言われています。つまり、太っている人が身近にいると自分も太りやすくなったり、幸福な人といると自分も幸福になりやすいのです。
- 悪い影響を与える人間関係を減らす:理想の友人を作ろうとするよりも、まずは「自分の足を引っ張っている、悪い影響を与える人間関係」を減らすことが大切です。不幸そうな人とは距離を置くことも、自身の幸福度を高める上で有効な手段となります。
- 自分を押し上げてくれる人の選択:全ての人を選ぶのは難しいですが、周り5人のうち1人か2人は「合理的に考えて、一緒にいて自分を押し上げてくれるような幸福な人」を選ぶことを意識し、残りは気楽に楽しめる関係を築くのが良いでしょう。
6. 幸福の土台となる「健康」
最後に、これらの3つの幸福の資本を支える土台となるのが「健康」です。不健康では、勉強や仕事のスキルアップ、人間関係の構築も難しくなります。
- 十分な睡眠時間の確保:ほとんどの人にとって、毎日「7〜8時間」の睡眠をとることは、脳のパフォーマンス向上、メンタルの安定に不可欠です。Amazon創業者のジェフ・ベゾスも、毎日7〜8時間眠ることが重要だと述べています。カフェインの制限やブルーライトカットなど、睡眠の質を高める工夫も効果的です。
- 毎日の運動習慣:毎日25分の「早歩きの散歩」が推奨されています。研究によると、毎日25分間散歩していた人は、運動不足の人よりも平均で4年近く長生きするというデータがあります。運動は気分を良くし、悩みを減らし、様々な病気のリスクを予防する「最強のソリューション」と言えるでしょう 。
まとめ:合理的に幸せになるための行動指針
橘玲氏の『シンプルで合理的な人生設計』は、「終わりよければ全てよし」という長期的な視点を持ち、資産・仕事・人間関係の3つの資本をバランス良く高め、それらを「健康」という土台で支えることの重要性を説いています。
この考え方を実践することは、まるで人生という大海原を航海する船を操るようなものです。船(人生)を安全に進め、目的地(幸福な人生の後半)にたどり着くためには、羅針盤(3つの資本と長期的な視点)をしっかりと見て、燃料(資産やスキルへの投資)を効率的に使い、船体(健康)を丈夫に保つ必要があります。時に嵐(困難)に遭うこともありますが、「変化できるものが生き残る」というダーウィンの言葉のように、状況に合わせて進路(市場や人間関係)を柔軟に変えることで、私たちはより充実した人生を築くことができるでしょう。